洞爺丸の宣教師
自分の命を犠牲にして人々を救った宣教師
1954年9月26日18時30分頃、函館と青森を結ぶ連絡船「洞爺丸」が約1300人を乗せ、台風15号の接近する中で函館港を出航しました。船は約4時間後の22時45分に沈没し、死者・行方不明者あわせて1155人におよぶ、日本海難史上最悪の事故となってしまいました。
この船にカナダ人のアルフレッド・ストーン宣教師(52歳)とアメリカ人のディーン・リーパー宣教師(33歳)が乗っていました。
だれもが死の恐怖に襲われ絶望する中、彼らは泣き叫ぶ乗客を励まし、救命胴衣を着用するのを助けました。最後に救命胴衣の足りないことがわかると、自分たちの救命胴衣まで若者と子どもに与えてしまいました。
後日、救命胴衣のない二人の宣教師の遺体が発見されました。また台風の荒波の中では、ほとんどの人が救命胴衣を着ていても助かりませんでしたが、彼らの救命胴衣をもらった若者と子どもは奇跡的に助かりました。助かった人々によると、宣教師は「あなたは死んでも天国に行けますか?」と問いかけた後、自分たちの救命胴衣を渡してくれたとのことでした。
二人の宣教師はキリストを信じていました。その結果、死の恐怖に打ち勝つ素晴らしい救いと希望が与えられ、このようなことができたのです。
彼らは何を信じていたのか?
①神が本当に存在されると信じていました
「はじめに神が天と地を創造された。」(創世記1章1節)
この世界には驚くべきデザインや仕組みがあります。それらすべては、創造主である神様によって造られました。
②天国と地獄が本当に存在すると信じていました
「私たちの国籍は天(天国)にあります」(ピリピ3章20節)
「いのちの書に記されていない者はみな、火の池(地獄)に投げ込まれた。」(黙示録20章15節)
神が本当に存在される以上、神のおられる天国も本当に存在します。
また、神が罪を裁く場所である地獄も本当に存在します。
③自分は神によって裁かれるべき罪人であると信じていました
「義人(正しい人)はいない。一人もいない」(ローマ3章10節)
「人間には、一度死ぬことと死後にさばきを受けることが定まっている」(へブル9章27節)
完全に正しい神様の前では、全人類が有罪です。人はみな、死後に神様によって裁かれて永遠の地獄へ行くべき罪人なのです。
④キリストを唯一の救い主と信じていました
「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」(ヨハネ3章16節)
御子なる神であるイエス・キリストが、私たち罪人の身代わりとなって十字架で死なれました。ご自分の命を犠牲にして、私たちの身代わりに罪の刑罰を受けてくださったのです。そして死後三日目に死の力を打ち破り復活されました。復活によって、ご自身が神であることと、罪人のための救いが完成したことを証明されました。
ですから、誰でも神様の前で自分の罪を認めてキリストを信じるなら、直ちに罪が赦され永遠のいのちが与えられます。キリストを信じた人は、決して地獄に行くことはなく、確実に永遠の天国に入ることができます。
あの二人の宣教師は、人間の作った救命胴衣を手放しましたが、彼らには、神の救命具があったのです。イエス・キリストを信じ、永遠のいのちを手に入れていたのです。永遠のいのちを持っている人は、たとえ体が死んでも、死の大波を乗り越えて確実に天国に迎えられるのです。彼らは自分たちが天国に入れることを確信していたので、死を前にしても平安であり、見ず知らずの他人を救うために命を投げ出すことができたのです。
あなたは死の大波を乗り越えることができますか?
洞爺丸の乗客が、一等客室の人も、二等客室や三等客室の人も、みな等しく嵐に飲み込まれたように、身分の違いや貧富の差に関係なくすべての人が死の大波に飲み込まれる時が来ます。皆様は、このとてつもなく大きな大波を乗り越えるための救命具をお持ちでしょうか?
多くの人が、お金、教育や知識、資格や技術、宗教などを人生の救命具にしておられます。確かにそれらの救命具で、人生の様々な試練の波を乗り切ることができるかもしれません。しかし最後に待っている死の大波の前では、そのような救命具はまったく無力なのです。
もしも皆様が神を認めず、死後の永遠を無視して地上だけの幸せを求めておられるなら、やがて死の大波が皆様からすべてを奪います。どうかすべてを失う前に、これまでの神様に対する態度を改めて、イエス・キリストを信じてください。イエス・キリストを信じるなら、死に打ち勝つ命が与えられ、あなたも永遠の天国に入ることができるのです。
神の御子の尊い犠牲によって備えられた救いを、どうか心を開いて受け取ってください。